ブログ
商店街視察研修に参加して ―「誰のための商店街か?」を考える―
こんにちは。
高岡家守株式会社の代表取締役、福岡です。
先日、「高岡市商店街連盟」の視察研修に参加しました。
私は2024年から、高岡市商店街連盟の事務局長を務めています。高岡市商店街連盟には、高岡市内の15の商店街などが加盟しており、それぞれの地域で商売を営みながら、商店街の維持・活性化に取り組んでいます。
今回の視察では、東京都内の商店街を訪問し、現地の方々から直接お話を伺いました。
今回訪れたのは、調布市の「天神通り商店会」と、杉並区の「和田商店会」です。
「参道」としての価値を高める
―調布市・天神通り商店会―
最初に訪れたのは、調布駅から布多天神社へと続く「天神通り商店会」です。
その名のとおり、布多天神社へと続く歴史ある参道に位置する商店街です。
また、調布は漫画家・水木しげるさんゆかりの地としても知られており、商店街には「ゲゲゲの鬼太郎」をはじめとするキャラクターのモニュメントが並んでいます。
神社という歴史的な地域資源に加え、水木しげるさんや「ゲゲゲの鬼太郎」という地域ゆかりのコンテンツも活用しながら、独自の商店街の魅力をつくっています。
今回のお話の中で特に印象に残ったのが、「参道としての存在価値を高める」という考え方でした。
単に「お店が並んでいる通り」と考えるのではなく、神社へ向かう道そのものに意味を持たせる。
布多天神社との連携を強めながら、参道としての魅力を高めることで、商店街の活性化につなげてきたそうです。
また、商店街を彩る梅紋のフラッグを統一して掲げるようになった背景には、金沢を視察した際に見た街の風景があったとのこと。
他の地域で良いと思ったものをそのまま真似するのではなく、自分たちの地域に合う形に取り入れていく。
この姿勢も、とても参考になりました。
「誰のための商店街なのか?」を突き詰める
―杉並区・和田商店会―
続いて訪れたのが、杉並区の「和田商店会」です。
和田商店会は、杉並区和田地域にある商店街で、飲食店や食料品店、理美容、生活サービスなど、地域の暮らしに関わるさまざまなお店が並んでいます。
一方で、駅前に位置する商店街ではなく、駅からは距離のある立地です。
そうした立地条件の中で、どのように地域の人に商店街を利用してもらうのか。
そのことを考える上で、非常に興味深い取り組みをされていました。
ここで特に印象に残ったのが、「誰のための商店街なのか?」という問いを突き詰めたことでした。
2010年頃から、マーケティングの専門家にも入ってもらい、商店街のことを考える上で「誰に来てもらいたいのか」「誰に必要とされる商店街なのか」という視点を深掘りしていったそうです。
そして、地域の人口構成などを踏まえ、特に「子育て世代」に着目。
子育て世代や親子に商店街を知ってもらい、実際に来てもらうための取り組みを、短期的なイベントだけで終わらせず、時間をかけて積み重ねてきました。
また、人・もの・お金などのリソースについても、できる限り自分たちの身の丈で回せる範囲で取り組むことを大切にしているとのこと。
大きな予算や大きな組織がなければ何もできない、ということではない。
自分たちにできる範囲で、無理なく、長く続けていく。
その積み重ねが、商店街の力になっているのだと感じました。
高岡の商店街に置き換えてみる
今回、2つの商店街を視察して、私自身が改めて考えたことがあります。
それは、「高岡の商店街にとって、本当に必要なものは何なのか?」ということです。
高岡の商店街にも、長い歴史があります。
そして、歴史ある神社や寺院につながる「参道」として形成されてきた商店街も少なくありません。
であれば、天神通り商店会のように、改めて**「参道としての存在価値を高める」**という視点があってもいいのではないでしょうか。
単に「お店を増やす」「イベントを開催する」ということだけではなく、
「なぜ、この通りを歩くのか」
「なぜ、この場所に来るのか」
「この通りだからこそ感じられるものは何なのか」
を考える。
それが、その商店街ならではの価値につながっていくのではないかと思います。
そして、もう一つ。
「誰のための商店街なのか?」
この問いを、私たちももっと突き詰める必要があると思っています。
誰かに必要とされるからこそ、人はその場所に来る。
誰かに必要とされるからこそ、そこで買い物をする。
誰かに必要とされるからこそ、その商店街が残っていく。
商店街活性化というと、どうしても「人を呼ぶ」「イベントをする」といった話になりがちです。
もちろん、それも大切です。
しかし、その先にあるのは、「誰に、何を提供し、その結果として商店街の商売が成り立つのか」という経営の視点ではないでしょうか。
商店街を「経営」の視点から考える
商店街は、地域の歴史や文化を受け継ぐ場所であると同時に、そこに商売をする人がいる「経済の場」でもあります。
だからこそ、まちづくりの視点だけでなく、経営の視点から商店街を考えることも必要だと思います。
「誰のために商店街があるのか?」
「その人は、なぜ来るのか?」
「何を求めているのか?」
「そのニーズに、商店街として応えられているのか?」
そして、
「その結果として、商売が成り立っているのか?」
今回の視察では、東京の2つの商店街から、それぞれ異なるアプローチを学ぶことができました。
一方は、地域資源である神社との関係を深め、「参道」という商店街の価値を高める。
もう一方は、地域の暮らしを見つめ、「誰のための商店街なのか」を明確にする。
どちらも、決して一朝一夕にできたものではありません。
高岡にも、高岡にしかない歴史や文化、地域資源があります。
今回の視察で得た学びを、高岡の商店街のこれからを考えるための一つの材料として、今後の活動につなげていきたいと思います。
高岡の商店街が、これからも「必要とされる場所」であり続けるために。
私自身も、商店街の一員として、そしてまちづくりに携わる者として、考え続けていきたいと思います。
高岡の商店街には、まだまだ可能性があります。





