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災害の少ないまちから、災害に備えるまちへ ― 8月27日の豪雨災害を受けて ―
こんにちは。
高岡家守株式会社の代表、福岡です。
8月27日、石川県・富山県を中心に大雨となり、高岡市でも各地で被害が発生しました。
このたびの豪雨災害により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
現在も、ご自宅の片付けや生活の復旧など、さまざまな対応に追われている方がいらっしゃることと思います。
一日も早く、被災された皆さまのもとに日常の暮らしが戻ることを、心より願っています。
「まちをつくる」とは、「まちを守る」ことでもある
私たち高岡家守株式会社は、高岡のまちなかで空き家の活用や事業づくり、地域の魅力づくりなどに取り組んでいます。
私たちが大切にしているのは、単に建物をきれいにしたり、新しいお店を増やしたりすることだけではありません。
そこで暮らす人がいて、働く人がいて、訪れる人がいる。
そんな「人の営みが続いていくまち」をつくることが、私たちの仕事だと考えています。
だからこそ、今回の災害を目の前にして、改めて考えました。
安心して暮らせることも、まちの大切な価値なのではないか。
どれだけ魅力的なまちでも、災害が起きたときに地域で支え合うことができなければ、そこで暮らし続けることはできません。
空き家を活用することも、観光客を呼ぶことも、新しい事業を生み出すことも大切です。
しかしその土台には、
「このまちで暮らしていて大丈夫」
「困ったときには誰かが助けてくれる」
と思える地域のつながりが必要なのだと思います。
今回の豪雨は、私にとってそのことを改めて考える機会になりました。
私は「防災士」でもあります
実は私は、防災士の資格を持っています。
また、普段暮らしている地域では、地元小学校区を中心とした「博労防災士会」の副会長を務めています。
防災士は、災害時に消防や行政に代わって救助活動をする資格ではありません。
災害に関する知識を身につけ、平常時から地域の防災意識を高めたり、災害が発生した際に地域で助け合ったりするための活動を担う存在です。
つまり、「もしものときに、地域の中で動ける人を増やす」ことも、防災士の大切な役割だと私は考えています。
8月27日、博労小学校の自主避難所へ
今回の大雨が降った8月27日の夕方、博労防災士会として、博労小学校に開設された自主避難所へ駆けつけました。
幸い、そのとき避難されている方はおらず、私たちも短時間の駐在となりました。
大きな混乱がなかったことは何よりでした。
一方で、「実際に災害が起きたとき、自分たちはどう動くのか」ということを、身をもって考える時間にもなりました。
防災訓練であれば、「こういう場合はこうする」と事前に決めておくことができます。
しかし、実際の災害は、いつ、どこで、どの程度の規模で起こるのか分かりません。
そのときに必要なのは、知識だけではなく、状況を見ながら判断し、周囲と連携して動く力なのだと思います。
そして、私は「何もできない自分」を感じました
今回、私自身が一番強く感じたことがあります。
それは、
「防災士として、もっとできることがあったのではないか」
ということでした。
大雨が降り、各地の被害が報道される。
スマートフォンを開けば、被害状況が次々と入ってくる。
テレビでも繰り返し災害のニュースが流れる。
私はそれを見ながら、被害がこれ以上大きくならないことを願うことしかできませんでした。
もちろん、情報を正しく把握することも大切です。
しかし、防災士という資格を持ち、地域の防災活動にも関わっている自分が、いざ災害を目の前にしたときに、「自分に何ができるのか」が十分に分かっていない。
そのことに、正直なところ悔しさを感じました。
「防災士であること」と「災害時に地域の役に立てること」は、同じではない。
今回、身をもってそう感じました。
資格を取ったことで満足してはいけない。
訓練に参加して終わりでもいけない。
実際の災害を想定し、地域のことを知り、地域の人と顔の見える関係をつくり、いざというときに動けるようにしておかなければならない。
今回の経験は、私自身にとって大きな反省であり、これからの活動への課題を突きつけられた出来事でした。
「富山は災害が少ない」は、もう過去の話なのかもしれない
富山県は、これまで「災害の少ない県」と言われることが多い地域でした。
もちろん、全国のさまざまな地域と比較すれば、そうした側面はあるのだと思います。
しかし、近年は状況が変わってきています。
2024年には能登半島地震が発生し、高岡市を含む富山県内でも大きな被害がありました。
そして今回の豪雨。
高岡市が今年3月に改定した「高岡市国土強靱化地域計画」でも、近年の災害の教訓を踏まえ、災害の激甚化・頻発化への対応が必要だとされています。
「富山だから大丈夫」
「高岡だから大きな災害は来ない」
そうした感覚を、私たち自身が少しずつ変えていく必要があるのではないでしょうか。
災害は、行政だけで防ぐものでもありません。
消防や警察、自衛隊、医療機関などの専門機関だけでもありません。
地域の自治会、学校、企業、商店、福祉施設、そして一人ひとりの市民。
地域にいる人たちが、それぞれの立場で備えることが、まち全体の防災力につながっていくのだと思います。
「家守」という名前に込めたもの
私たちの会社には、「高岡家守」という名前を付けています。
「家守」とは、文字通りには「家を守る人」です。
しかし私たちは、単に建物を守る会社になりたいわけではありません。
空き家を活用し、そこに新しい暮らしや仕事を生み出す。
人が集まり、人と人とのつながりが生まれる。
そうやって、建物だけではなく、高岡というまちそのものを次の世代につないでいく。
それが私たちの目指す「家守」です。
だからこそ今回、防災について考えることも、高岡家守の仕事と決して無関係ではないと感じています。
建物を守る。
暮らしを守る。
人を守る。
地域を守る。
そして、地域の未来を守る。
「まちづくり」という言葉の中には、そうしたことも含まれているのではないでしょうか。
まずは「知ること」から
今回の災害を受け、高岡市では被害を受けた方への各種支援や対応に関する情報を随時更新しています。
罹災証明や災害ごみ、衛生対策など、被災された方に必要な情報が掲載されていますので、該当される方はぜひご確認ください。
高岡市「令和8年8月27日からの大雨に係る支援・対応等関連情報」
また、現在、高岡市災害ボランティアセンターも開設されています。
被災した家屋内の泥のかき出しや、災害ごみの運び出しなど、被災された方の生活再建を支える活動が行われています。
「何かできることはないだろうか」と思われた方は、募集状況や活動内容を確認したうえで、無理のない範囲でご協力いただければと思います。
そして、被災していない私たちにとっても、今回の災害を「ニュースで見た出来事」で終わらせないことが大切だと思います。
自宅周辺のハザードマップを確認する。
家族と避難場所を話し合う。
非常持ち出し袋を確認する。
地域の防災訓練に参加してみる。
近所にどんな人が暮らしているのかを知る。
できることは、決して特別なことばかりではありません。
防災も、地域づくりの一部として
今回、私は防災士として、自分自身の力不足を痛感しました。
だからこそ、これを一度きりの反省で終わらせたくありません。
これからも防災士として学び、地域の防災活動に関わり、博労防災士会の仲間たちとも協力しながら、地域の防災意識を少しでも高めていきたいと思います。
そして、高岡家守株式会社としても、「防災」という視点をこれからのまちづくりの中にしっかりと持っていたいと思います。
魅力的なまちをつくる。
人が訪れたくなるまちをつくる。
住み続けたいと思えるまちをつくる。
そして、
災害が起きたときにも、互いに支え合えるまちをつくる。
それらは、決して別々のことではありません。
高岡のまちにある建物、人、文化、歴史、暮らし。
私たちは、それらを次の世代につないでいく仕事をしています。
今回の災害をきっかけに、改めて「何を守り、何を未来につないでいくのか」を考えながら、これからも高岡のまちと向き合っていきたいと思います。
最後になりましたが、改めまして、今回の豪雨災害により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
まだまだ不安な日々を過ごされている方も多いことと思います。
復旧には時間がかかることもあると思いますが、一日も早く、皆さまのもとに穏やかな日常が戻りますことを願っています。
私たちにできることは決して大きくないかもしれません。
それでも、地域に暮らす一人として、そして防災士として、できることを一つずつ積み重ねていきたいと思います。
被災された皆さまが、一日も早く安心して暮らせる日を迎えられますように。
高岡家守株式会社
代表取締役 福岡

